股関節のつまり感・引っかかりの原因と解消するためのセルフケア

  • URLをコピーしました!

歩くたびに足の付け根に「コキッ」と音がする、引っかかる感じがある、詰まった感覚がある——こうした股関節のつまり感は、多くの場合、股関節周囲の筋肉の硬化が原因です。放置しておくと変形性股関節症のリスクが高まるため、早めのケアが大切です。

目次

股関節の構造を知ろう

股関節は「臼状関節(きゅうじょうかんせつ)」と呼ばれる構造で、球状の大腿骨頭(太ももの骨の頭部)が骨盤の臼蓋(きゅうがい:受け皿)にはまり込む構造です。肩関節と似ていますが、より安定性が高く、強力な筋肉群に囲まれています。

股関節(球関節)の構造を示す解剖図
股関節は球関節で、大腿骨頭が寛骨臼にはまり込む構造です

股関節周囲には表層の大臀筋・中臀筋・外側の大腿筋膜張筋、深層の梨状筋などの深層外旋六筋、前面の腸腰筋・大腿直筋など、多くの筋肉が関わっています。これらの筋肉のどこかが硬くなると、股関節の動きがスムーズでなくなり「つまり感」として感じられます。

インピンジメント症候群について

股関節の「つまり感」の中には、「股関節インピンジメント症候群(FAI:大腿骨寛骨臼インピンジメント)」という状態が関わっていることもあります。大腿骨頭や臼蓋の形状に問題があり、股関節を曲げたときに骨同士が当たってしまう状態です。この場合は医療機関での評価が必要です。

つまり感が起こる主な原因

  • 長時間の座位:股関節が曲がった状態が続き、腸腰筋が縮んだまま固定されます
  • 運動不足:股関節を動かす機会が減り、関節の潤滑作用(滑液の循環)が低下します
  • 股関節周囲筋の柔軟性低下:特に腸腰筋・外旋筋群の硬化が影響します

セルフチェック

椅子に座って股関節を90度に曲げた状態から、そのまま太ももを持ち上げてみてください。このとき、足の付け根に引っかかり感・音(クリック音)・違和感がある場合、股関節周囲の筋肉が硬化している可能性があります。左右差がある場合も注意が必要です。

セルフケアの方法

①股関節の振り子運動

壁に手を添えて立ちます。右脚を軸にして、左脚を前後にゆっくり振り子のように動かします(10〜15回)。次に外側(横方向)に持ち上げて下ろす動きを行います(10〜15回)。この運動は股関節の全方向の動きを出す「モビリゼーション」です。股関節内の滑液(潤滑剤の役割をする液体)の循環を促し、動きをスムーズにします。反対側も行います。

テーブルに手を置いて行う股関節の振り子運動の実演
テーブルに手を添え、脚を前後にゆっくり振ります

②腸腰筋のストレッチ

床に片膝をつく姿勢(ランジ)をとります。右膝を床につき、左足を前方に踏み出します。上体を真っ直ぐに保ちながら、骨盤を前下方に押し込むようにゆっくり体重を前に移します。右の鼠径部(股関節の前面)が伸びるのを感じながら20〜30秒キープします。反対側も行います。腸腰筋を伸ばすことで骨盤の前傾が改善し、股関節前面のつまり感が軽減されます。

③外旋筋群のストレッチ(仰向けで)

仰向けで膝を立て、右足首を左の太ももに乗せます。両手で左の太ももの裏を抱えて体に引き寄せます。右のお尻の奥が伸びる感覚を確認しながら15〜20秒キープします。深層外旋六筋(梨状筋など)をほぐすことで、股関節の回旋運動がスムーズになります。

仰向けで行う股関節外旋筋群のストレッチの実演
仰向けで足首を反対の膝に掛け、太ももを胸に引き寄せます

まとめ

股関節のつまり感は、日常的に股関節を動かすことで改善できます。「振り子運動+腸腰筋ストレッチ」を毎日続けてみてください。痛みが強い・体重をかけると痛む・歩行に支障があるという場合は整形外科での評価をお勧めします。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

作業療法士免許取得後、回復期病棟、訪問リハビリに14年間勤務。2019年 自費リハビリ開業する。

目次